再帰的な推論

■AIプログラムの目標

AIプログラムには、目標が1つだけ与えられる。
仮に、2つ目標があるように見えても、優先度をつけて、1つの目標とみなすことができる。
解かなければいけない問題は、たった1つである。
しかし、ある問題を解くためには、別の問題を解くことが必要になる場合がある。
どのような場合に、どのような問題が発生するのか、明らかにしたい。

■再帰的な子問題の発生

ある帰納推論をするために、次の子問題を解く必要がある。
1. 次に立てる仮説を何にするかの推測
2. 仮説に使う目的変数と説明変数の値の推測
3. 仮説に関わるバイアス「unknown値」の推測
これらの子問題を解くために、再帰的に孫問題を解く必要がある。

■次に立てる仮説を何にするかの推測

すで検証済みの仮説と、全く同じ仮説は立てる価値がない。
仮説は無数に立てられるが、目標に達するために、どんな仮説が良いのか推測しなければならない。
例えば、比較的結果の良かった仮説の周辺や組み合わせ。
現在の問題について、これまでの仮説と結果から、良い仮説を統計的に推測できる。
似た別の問題の事例からも、どういった仮説の立て方が有効だったか、統計的に推測できる。

■仮説に使う目的変数と説明変数の値の推測

仮説に使う変数は、「unknown」を含むような、帰納推論した値でもよい。
その場合、その値の帰納推論が必要になる。
説明変数に限らず、目的変数についても同様である。

■仮説に関わるバイアス「unknown値」の推測

仮説に使う各標本のバイアスは、「unknown値」として表される。
その値は、推測する必要がある。
これは、あらゆる方法で、推測する必要がある。
例えば、推論にあるデータを使用したとする。
そのデータが嘘である確率を推測できたなら、その分だけ「unknown値」を増やす。
どこで、どんなバイアスの原因が発生するか、全てを推測することは難しいが、できるだけ推測したい。
それもまた、統計的に推論する。